2006年 10月 24日
「え」
ポケットビリヤード種目の一つ。
15個の先球を使用し、⑧以外の球を①~⑦と⑨~⑮に分け、各自、自分の7つの持ち球をすべてポケットした後、⑧をポケットするのが勝利条件。
アメリカ、オーストラリアでは非常に盛んな種目であり、日本においては、競技的にはマイナーの域を出ていないが、非マニア層のビリヤードファンの間では人気が高い。
手球を当てる先球が決められている(小さい番号から順番に)ナインボールと異なり、開始直後、7個の先球の中から狙う球を選択でき、初心者のプレーが比較的容易である事がその理由として挙げられる。
この特徴(狙う先球を複数の中から選択できる)を持つ種目の事を総じて「エニーボール系」と呼ぶ。
その他、エニーボール系の種目には14-1(フォーティーン・ワン)、ボーラードなどがある。
エニーボール系種目全般の特徴として、先に述べた理由による初心者への受け皿が広い点がある一方で、選択肢の広さに由来する戦術性の幅広さもあり、上級者同士のプレイになると逆に難易度は高くなるという側面もある。
現状の国内プロツアーにおいては、毎年1回「エイトボール・オープン」が開催されている。
というより、ナインボール以外の種目(エイトボール、ローテーション、14-1)に関してはすべて年1回である。
その昔、20年ほど前までプロの「全日本選手権」はナインボール、ローテーション、14-1の3種目で行われていたものであるが、選手数の増加などにより大会進行のスピード化が求められ、ナインボール一本化となったのは世界的な傾向であった。
だが、本年(2006年)より、その流れを根底から覆す事になるかもしれない大きな動きがアメリカン・プール界で起こる。
「IPT」(International Pool Tour)である。
ラスベガスで行われた開幕第1戦の賞金総額、約2億4000万円、優勝賞金約4200万円という、アメリカの事業家、ケビン・トルードー氏が立ち上げたこのツアー。
その種目がエイトボールなのである。
開幕戦を制したのは、ドイツのトーステン・ホーマン。ここにもゲルマン魂か。
だが、彼が今年の「14-1世界選手権」の覇者である事と今回の優勝とは決して無関係ではないと思われる。